ご褒美(ほうび)と表彰
生徒から、「通知表が上がったら、携帯を買ってもらえるんだよ。」というような話を聞くことがあります。 このように、勉強を促す目的で、品物や金銭のご褒美を約束する保護者の方がいますが、これはほどほどにしておいた方が良いと思います。 中には、勉強に興味を持つきっかけになる場合もあるので、完全に否定することはできません。 しかし、ほとんどの場合、一時的な頑張りだけで終わってしまうのが現実です。 勉強そのものの面白さや達成感を感じることがなければ、結局は長続きしません。
この点で、表彰はご褒美とはまったく別の効果を発揮します。 表彰というと、小学校や中学校のあの表彰式をイメージするかもしれませんが、ここでは、もっと広い意味で言っていると思ってください。 必ずしも表彰状を送る必要はないんです。 そう、上手に誉めてあげればいいんです。これは小さな表彰式です。
例えば、学校で習ったことをお母さんに上手に伝えられたときに、「へえ、すごくよくわかったよ。お父さんにも教えてあげようね。」と言ってみましょう。 また、弟や妹に上手に教えてあげられたときに、「うわあ、先生みたいに教えられるんだね。」と誉めてあげましょう。 そういうふうに誉められると、子どもは何とも言えない達成感を感じ、次からも期待を裏切らないようにしたいと思うものなのです。 誉めるのは試験の点数や通知表が上がったときに限りません。 日常生活のいたるところに、誉めるべきポイントはあります。 なるべくそれに気づいてあげましょう。
ご褒美の特徴
- ご褒美は目標達成と引き換えにお金や物を与えることです。
- ご褒美は達成した目標とは直接関係がありません。
- 子どもは「ご褒美のために、今回は頑張るか。」と考えるかもしれません。
- ご褒美がなくなった。ご褒美がつまらない。ご褒美に飽きた。→努力終了。
表彰の特徴
- 表彰は素晴らしい成果を出したことを認め、他の人にもそのことを伝えます。
- 表彰は成果そのものを正当に評価します。
- 身が引き締まり、「次はもっと良い結果を出そう。」という気持ちになる。
- 皆の期待に応えたいという気持ち。良い意味でのプレッシャー。→持続的な上昇志向を生み出す。
もちろん、勉強の面白さをよくわかっている子どもに、大きな成果を出したときのサプライズとしてご褒美をあげることは悪くはないと思います。