同じ問題を繰り返し解こう

あなたは問題集を何度繰り返しますか。1回だけですか。中には問題集を何冊も持っているけど、すべてつまみ食い程度に使っただけという人もいるかもしれませんね。

私が指導しているA君は中学時代は数学が苦手でした。お世辞にもセンスがいいとは言えない生徒でした。 彼が進んだ高校はやや学力の低い学校でしたが、その中でも彼の数学の成績はパッとしないものでした。 しかし、2年生の2学期から様子が変わってきました。 「中間試験の数学、クラスの男子の中で3位でした。」と言うのです。 そのあとも成績は上がり続けて、2年生の学年末試験ではついに数学の成績がクラスで1位になったのです。 A君は一体どんな方法で勉強をしたのでしょうか。 実に単純な話です。学校の定期試験向け課題を3回解いただけのことです。 この習慣を貫いただけでA君の成績は急激に上がっていったのです。

流石に3回も解くと、解法が自然に身についてしまうわけです。 この愚直とも言えるやり方こそ、一番確実で期待を裏切らない勉強法だと私は確信しています。 単調で退屈な作業だと思うかもしれませんが、これを乗り切った人は不動の基礎学力を手に入れることができるのです。

これは、定期試験に限ったことではありません。大学受験にも通用します。 赤本の合格体験記などを読んでいると、あまり多くの問題集や参考書を使わずに、1冊を徹底的に活用するという勉強法が、多くの合格者の共通点であることに気づくはずです。

「この問題集なら、どこから出題されても反射的に答えられる。」と言えるところまで鍛え上げたなら、どこでどんな問題に出くわしても、冷静に対処できるようになるのです。 あれこれと手を出さず、一つの問題集を徹底的にマスターすることから始めましょう。